暖房について

2025.01.17

新築の計画をしている方によく聞かれることとして、冬の暖房についてです。
暖房器具はいろいろありますが、一番コスパの良いものはエアコンです。
冬は暖気が出て、夏は冷気が出ます。
床暖房・薪ストーブ・ファンヒーター・こたつなどもありますが、いずれも冬しか稼働しません。
夏には、冷房が必要なので、エアコンの設置は必須になります。

エアコンは、夏も冬も1台で稼働してくれ、さらに安く設置できるので、コスパがよくなります。

ただし、エアコン暖房には室温や湿度、風向き、風量、電気代など、いくつか考慮すべきポイントがあります。

それを間違えると、集中力ややる気、生産性・快適性が落ちることが分かっています。

まず、エアコンの暖房設定温度は20度から22度あたり、湿度は40%から60%ぐらいの範囲に収めるのが理想です。
可能なら湿度50%がベスト。 (湿度計はアマゾンなどで数百円から売ってます)
40%を切ってしまうと、やる気の低下や作業ミス、眠気など、生産性に悪影響が出るということが、慶応大学の研究などで判明していました。

また、断熱性能の悪い家の場合は、エアコン暖房は天井付近に暖かい空気がたまりやすいため、足元が寒くなりやすいという問題があります。
これを解決するにはサーキュレーター(ミニ扇風機のようなファン)を使うのがおすすめ。
サーキュレーターの配置場所は、エアコンと向かい合う壁の床に置き、真上に風を吹かせると、空気が循環して足元も含め部屋全体が温まりやすくなります。

断熱性能のいい家の場合は、床面と天井面の温度差が小さくなるため、空気循環は不要です。

そして夜の電気代についてです。
実はエアコン暖房を一晩中つけっぱなしにしても、それほど電気代は高くなりません。
とはいえ、どうしても電気代が気になる場合は、就寝後2時間でオフになり、起床1時間前にオンになるように設定する方法もあります。
この場合、実質3時間はエアコンをつけていることになるので、8時間つけっぱなしのケースと比べて5時間ほど差が出る計算です。

ここで、8時間エアコンを一晩中つけっぱなしにした場合の電気代を見てみましょう。
パナソニックのエアーマイスター福田風子さんが出したデータによると、消費電力は外気温と設定温度の差が大きいほど増えます。
冬の夜間は特に気温が低く、地域によっても外気温に差があります。
22時以降に8時間エアコンの暖房を使った場合の電気代を、以下のようにまとめています。

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<エアコン暖房の1時間あたり
の消費電力(22時以降)>
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外気温 -10℃〜0℃未満:約90円(1時間あたり約363Wh)
外気温 0℃〜10℃未満:約62円(1時間あたり約250Wh)
外気温 10℃〜20℃未満:約21円(1時間あたり約83Wh)

※電気代はパナソニックPXシリーズの機器ログデータより算出した参考値。
※電力料金目安単価 31円/kWhにて計算
※利用環境(室内外の温度・湿度、部屋の気密性・断熱性、設定温度、運転モード、風量など)により変動。あくまで目安値。
(パナソニック「エオリア」調べ)
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このデータによれば、8時間つけっぱなしの場合、電気代は約21円から90円の範囲となります。
鳥取の1〜2月は夜間の平均気温は0℃台から5℃台とのことなので、外気温0℃〜10℃未満に該当しやすく、一晩で約62円が目安になります。
つまり、8時間つけっぱなしでも一晩あたり62円ほどということです。

タイマーを利用して「就寝後2時間オン」「起床1時間前オン」の設定をした場合、5時間分はエアコンがオフになる計算です。
8時間つけっぱなしで62円かかるなら、このタイマー設定だと3時間分でおよそ20円強くらいの電気代になると考えられます。
つまり、一晩つけっぱなしと比べての差額は40円程度ということです。
1か月(約30日)にすると、1000円〜1200円前後の違いしかありません。

一晩中つけっぱなしにしても、1か月で見れば1800円程度の電気代と試算され、タイマー設定との比較差は月約1000円ほどというわけです。
仮に就寝時にエアコンを全くつけず、タイマーを一切使わないで、就寝時にすぐにエアコンを消し、起床と同時にエアコンをオンにした場合でも、1ヵ月の差額は1800円程度。
冬の夜に寒い思いをして睡眠の質や生産性が落ちてしまうよりも、1か月1000円(最大1800円)程度の差で快適に過ごせるなら、
予算や考え方にもよりますが、つけっぱなしにしておくほうがコスパはいい可能性が高そうです。

エアコンを夜中につけっぱなしにするか迷っていた方は、ぜひこのあたりの数値も参考にしてみてください。

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